平良竜次の「映画報」~eiga-Ho!!!!!~
「シネマラボ突貫小僧」の平良竜次が、有象無象の映画とその周辺を文字とイラストで語ります。
2012年1月29日日曜日
『童年往事』 藤家具に込められた望郷の思い
親戚のおばぁが亡くなった。
我が家を訪ねるたびに籐椅子に深く腰掛け、幼い僕の話をウンウンとうなずきながらいつまでも聞いてくれる…そんな優しい人だった。
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2012年1月22日日曜日
『アンを探して』にみる中原淳一の挿絵、そして絵を描くこと
『アンを探して』
(2009年、宮平貴子監督)は、急逝した祖母の初恋の相手を探すために、カナダのプリンス・エドワード島を訪れる17歳の少女の物語。
本作はタイトルを見れば分かると思うが、小説「赤毛のアン」が重要なモチーフとなっており、他にもバラの花、自転車など、魅力的な小道具がたくさん登場する。特に気に入ったのは、祖母役の吉行和子さんのナレーションとともに映し出される中原淳一の挿絵だ。
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2010年11月26日金曜日
50年の月日を感じさせない「地味演出」の勝利! 傑作SF 『未知空間の恐怖 光る眼』
ある日、英国の小さな村で村民全員が気を失う。
異常に気づいた軍はさっそく部隊を派遣するが、
村落に入った途端気絶してしまい、状況を見守るしかない。
だが数時間後、人々は何事もなかったかのように意識を取り戻した。
しばらくして、村の若い女性たちが妊娠していることが発覚。
父親が誰かも分からないまま、9ヶ月後、無事子どもが生まれるが、
全員容姿が似通っており、しかも知能が高く、異常なスピードの成長を遂げていく…。
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2009年7月16日木曜日
“可哀想な沖縄”が奏でる少女漫画チックなメロドラマ~『川は流れる』
桜坂劇場で行われている「沖縄娯楽映画」特集にて『川は流れる』(`62)を鑑賞する。沖縄出身歌手・仲宗根美樹の同名ヒット曲に着想を得た作品なのだが、これがもう、びっくりするぐらいのメロメロドラマだった。
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2009年5月4日月曜日
ボンクラの妄想大爆発!~『ウォンテッド』
今さらながら
『ウォンテッド』
(`08)
をDVDで見たのだけれど、いやあ驚いた。
男なら誰しも持っている妄想をビッチリと隙間なく埋め尽くした素晴らしい(良い意味で)ボンクラ映画だったのだ!
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2009年2月13日金曜日
『CHEチェ 28歳の革命』 『CHEチェ 39歳 別れの手紙』 赤いキリスト、ゲバラ。
革命から遠く離れて。
世界中が混沌としている。
中東の戦火は鎮まる気配は無いし、アメリカも消費社会のツケが回って尻に火が付いた。ヨーロッパもアジアも、そしてここ日本でも政治・経済制度が疲弊し、けれど、どうしたら良いかダレも分からない状態だ。ましてや日々の生活に窮している一庶民の僕なんかが未来を夢見ることなど出来やしない。
一体、どうしたら良いのやら…。
そんなとき、一筋の光明を見せてくれる作品が現れた。
『CHEチェ 28歳の革命』
(`08)、
『CHEチェ 39歳 別れの手紙』
(`08)。キューバ革命の若き英雄、エルネスト・チェ・ゲバラの栄光と死に至るまでを克明に追った、2部作合わせて4時間半の大作である。
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2009年1月22日木曜日
『WALL・E/ウォーリー』 夢も希望もない社会を救う、イノセンス。
※注意! 結末が分かる内容が含まれています。
フルCGアニメという枠を超えて描きたかったこと
ピクサー
の新作といえば外れがないことで有名だ。
当初はフルCGアニメの目新しさばかりが喧伝されていたが、今では彼らの生み出すキャラクターの秀逸さ、物語のオリジナリティ、映画演出の鋭さ、過去の名作に対してのシャレたオマージュなどの質の高さが評価されている。
そして最新作
『WALL・E/ウォーリー』
ではCGだけではなく、本物の役者による実写場面まで登場する。アニメの枠さえ超えようとして、彼らは何が作りたかったのか? 監督・脚本のアンドリュー・スタントンは、とあるインタビューでこう答えている。
「少年時代、
『スター・ウォーズ』
(`77)や
『エイリアン』
(`79)などのSF映画が私の心をときめかせてくれた。あの感覚を今度は私が多くの人に伝えたい-」
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