2010年11月26日金曜日

50年の月日を感じさせない「地味演出」の勝利!   傑作SF 『未知空間の恐怖 光る眼』


ある日、英国の小さな村で村民全員が気を失う。

異常に気づいた軍はさっそく部隊を派遣するが、

村落に入った途端気絶してしまい、状況を見守るしかない。

だが数時間後、人々は何事もなかったかのように意識を取り戻した。

しばらくして、村の若い女性たちが妊娠していることが発覚。

父親が誰かも分からないまま、9ヶ月後、無事子どもが生まれるが、

全員容姿が似通っており、しかも知能が高く、異常なスピードの成長を遂げていく…。




■原作は侵略SFの大家による傑作
1960年に製作された『未知空間の恐怖 光る眼』は、SFに興味のある者なら必ず興味を引くであろう秀逸な設定を持った映画だ。それもそのはず、原作の「呪われた村」(`57)は「トリフィドの日」(`51)で有名な小説家ジョン・ウインダムによるもの。侵略SFの大家らしい奇想天外なアイデア、緻密な設定、じわじわ迫る恐怖感が物語に詰め込まれている。


だが、それだけなら原作を読めば事足りる。


映画版ならではの良さとして挙げられるのは、徹底的に「地味な演出」で攻めていること、それに尽きる。



■ドキュメンタリーのような演出

オープニングの、時を知らせる村の時計塔の執拗なアップから始まり、突如倒れ込んでしまった村人たちとアイロンで焼けて煙を出す衣類や、水道が出しっぱなしになり床が水浸しになる様子をひたすら映し出す。これらの奇妙な状況とのどかな農村風景の対比が、異常さをより一層際だたせる。
こういった演出は、物語の核心である「子どもたち」にも適用される。
皆、美しい金髪(モノクロなので実は銀髪かも?)であることを除けば、容姿としておかしなところは何もない。

あとは異様に知能が高く、礼儀正しく、集団行動する、外敵と認定した者への容赦ない攻撃など…で、彼らが普通ではないことを見せていく。その手法はまるでドキュメンタリーのようだ。


■時代を超える普遍的な面白さを獲得

本作は異能力を発揮する際に目が光ること以外の特撮がまったく無い。
にも関わらず、前述のような丹念な演出の積み重ねにより、物語が進むにつれ、緊迫の度合いが急速に高まっていく。
 その意外な結末は皆さんの眼で確かめてもらうとして、本作が何より素晴らしいのは、特撮に頼らず、緻密な物語と手堅い演出を行ったことにより、結果として50年(!)経った今もなお、見る者を引きつける面白さを獲得したことである。


「クラシック」という括りの中に置いておくにはあまりに惜しい傑作SF映画だ。




2 件のコメント:

  1. はじめまして!この映画わかります。怖かった、すっごく!こういう侵略ってあるんだと強烈に残りました。いつも監督や題名を覚えていないので紹介ありがとうございます!

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    1. 眠杏さま
      コメントありがとうございます! いや本当、じわじわくる怖さですよね! 色褪せることのない名作であります。

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